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土屋公雄のブログ

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「海抜ゼロ」プロジェクト
 サイト・スペシィフィックなアート作品が、自然の中で展開されるようになったのは1970年代。当時アメリカのアースワークのアーティストやイギリスの自然派アーティストたちは、野外に広がる雄大な風景の中に身お置き、これまでとは異なるアプローチでアート作品を創造し、やがてこの動きは世界に広がり、アーティストはさらにその場所の持つ歴史・風土・記憶といった文化的特性や潜在能力を引用しながら、社会性も含め表現の可能性を見出してきたのである。
 近年国内でも「大地の芸術祭/越後・妻有トリエンナーレ」を筆頭に、各地で野外アート展が開催されているが、これらの動向もやはり70年代に始まるサイト・スペシィフィックなアートプロジェクトが原点と言えよう。

 今夏「大地の芸術祭」と姉妹展に位置づけられる国際美術展「水と土の芸術祭2009」が新潟市で行なわれることとなり、ここでも国内外から約60名のアーティストが参加し、ランドアートを中心に「場」と関わるダイナミックな野外アートが市内各地に制作設置された。
 信濃川と阿賀野川、この二つの大河が流れる新潟市の歴史は、まさに水と土との闘いの歴史と言っても過言ではない。繰り返される洪水と共に生きてきた新潟市民にとって、「水」の記憶、「土」の匂いは、苦い思い出でもあり、様々な記憶を内包した追憶でもあるのだ。

 今回この「水と土の芸術祭」参加にあたり、僕は武蔵美建築学科・土屋スタジオ卒業生である田原唯之、木村恒介に声をかけ、ユニットとしての土屋公雄APT(アート・プロジェクト・チーム)を結成することとした。彼らは卒業後も積極的に制作活動を展開しているアーティストであり、さらに、これまでの僕の「場」に関わることで成立する作品制作姿勢に共感し、お互いが協調しながらサイト・スペシィフィックなプロジェクトに立ち向かえる同士だと思えたからである。もちろん彼らとは師弟関係を超え、個々が刺激し合える関係であり、僕がこれまで作家として得てきた現場経験や制作プロセスを、伝えておきたい若きアーティストでもある。特にコミッションワークにおいては様々なノイズや、複雑且つデリケートな問題が立ちはだかるのだが、それらは大学という教育の場で伝えられるものではなく、唯一「現場」こそ、アクチュアリティーある「場」として、伝え理解し得る「場」なのである。

 昨年秋より数ヶ月間、新潟市内に点在する「潟」(湖)をリサーチし、その後、市街地より南西に車で一時間ほどの上堰潟に辿り着いた。そこはまさにイギリス北西部に位置する湖水地方にも似たピクチャレスクな場所であり、「潟」の背景となる標高約500メーターの角田山は、さらにこの地をワイルドな風景に演出し、今回の「海抜ゼロ」プロジェクトを成立する為に最適な環境であった。
 「海抜ゼロ」プロジェクトとは、「潟」の淵から湿地の水の中へ、約18メーターの鉄製通路で分け入り、その先端部分で水際を視界で捉え、海抜ゼロの世界を身体で感じる作品である。多分この感覚は水泳の際、水面を眼の高さで捉えた感覚に近いものがあるだろう。さらにその視界の先には角田山が広がり、18メーターのアプローチは、陸地エントランス部分から先端の水面へ、そして角田山の懐へと意識を連続させることになる。
 プロジェクトは連日雨の中、「潟」に流れ込む水位との闘いであり、水を塞き止める為の矢板打ち込み作業は予想以上にてこずったが、7月29日、作品「海抜ゼロ」は無事完成した。これまで何度となく経験したことだが、作品制作のプロセスが困難であればあるほど、完成時の喜びは一際である。(今回工事に携わっていただいた関係者の方々には、心よりお礼申し上げます。)

 新潟での「水と土の芸術祭」を皮切りとした土屋公雄APTだが、建築やアート、ランドスケープを領域横断的に捉えた視点で、今後も様々なジャンルのクリエーターとユニットを組みながら、サイト・スペシィフィックなプロジェクトを展開して行くつもりである。
 最後に、今回「海抜ゼロ」プロジェクトと平行しながら、新津美術館でのインスタレーション「水の記憶」制作では、武蔵美・土屋スタジオから在校生・卒業生が多忙の中応援に駆けつけてくれた。彼らにも心から感謝したい。・・・・・ありがとう。


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Date : 2009.08.03 Mon 21:11  未分類| コメント(-)|トラックバック(0)

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