土屋公雄のブログ

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「約束」
 墨田区横網町公園内の東京空襲モニュメントも、完成から早9年が経った。当時、東京都の記念碑制作審査委員のお一人であった、世田谷美術館・故大島清次館長から選考後、「土屋君、今回のモニュメントは空襲の犠牲となった方々、そして遺族の皆さんの為にも良い仕事をしてくださいよ・・・・・。」といわれた言葉が、今も記憶に残る。

 今年も晴天の下「東京空襲犠牲者名簿納め式典」が、200人以上の遺族参列者の中執り行われ、新たに670名の犠牲者名簿が納められた。

 10年前、正式にモニュメント制作の依頼を受けた時は、はたして僕に、美術の領域を超えた、歴史的で社会的責任の伴う仕事が出来るのか、不安でいっぱいだった。
 制作に与えられた期間は半年。限られた時間の中で、早速僕は武蔵美建築学科より有志を募り、学部・卒業生を含めたプロジェクトチームを結成。当時研究室で助手をされていた河野さんには設計・構造を担当してもらい、メンバーの皆と夜遅くまで柏のアトリエで、スタディ模型を囲みながらエスキスやディスカッションを重ねた。そして暮れも押し迫った頃、工事に必要な石材も大方整い、翌年2月の完成に向け石積み作業がスタートされた。現場には、戸田建設を中心に何社もの業者職人達の石をたたく音や、大型重機の機械音が連日深夜まで響き、サーチライトに照らされた現場風景は、さながら映画「プラトーン」の一場面の様であり、あの一種独特な緊張感は、思い返せば未だ胸を熱くするものがある。
 あれから10年が経ち、年4回植え替えるモニュメント植栽も、都内の小・中・高生から花壇デザイン画を募集し、今年も1.000点以上の応募の中、四名の生徒作品が選ばれ、その図案は素敵な花壇となり我々参列者を包み込んでいる。

 すでにモニュメント作品は僕の手を離れ、祈りの場となったようである。あの日、大島館長と交わした約束は、歳月が経ち僕なりに果たせたものと信じているが、今後はこの「記憶の場所」を、手をかけ続けることで記憶を風化させない、命の尊さを語り継ぐ場とすることが新たな約束なのかと、しみじみ記念碑を見つめながら感じていた。

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Date : 2010.03.18 Thu 08:26  未分類| コメント(-)|トラックバック(0)
 

  

 

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