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土屋公雄のブログ

アンドロメダの見える丘
午後9時が回り、誰もいなくなった大学の研究室で、コーヒーを飲みながらパソコンに向かっている。・・・・・ラジオからは軽快にキャロル・キングが流れている。

ところで今日、学生との話題になった「アンドロメダの涙」は興味深い話であった。地球より230万光年彼方に存在するアンドロメダ星雲が、涙を流しているそうなのだ。そしてその正体は、某大学のスーパー・コンピューターで計算したところによると、約8臆年前、アンドロメダ銀河に小銀河が激突し、その残骸が40万年にわたって細長く広がり、その衝突の跡が「アンドロメダの涙」の謎となったらしいのだが。・・・・・しかし数百万光年とは、気の遠くなる話である。

アンドロメダとは、ギリシャ神話に登場するエチオピアの王ケフェウスと、その王妃カシオペアとの娘である。神話では、王妃カシオペアが海の妖精ネーレウスの娘よりも、我が娘の方が美しいと自慢したことから、海の神ポセイドンの怒りをかい、泣く泣くアンドロメダを海の怪物への人身御供とし、海岸の岩に鎖で縛り付けるのだ。だが、運良くそこを通りかかった主神ゼウスの子ペルセウスは、持っていたメドゥーサの首を使って怪物を退治し、岩の上に石と化したアンドロメダを救い、後に二人は結ばれるという話である。

僕がこの話を聞いたのは、今から十数年前、当時展覧会で訪れていたテルアビブで、市内の南に位置するヤッフォという地名の、聖書にも登場する古い町並みの残る、丘の上の見晴らしのいいレストランであった。
この、地中海を望むレストランへは、ヘブライ語を流暢に話すイギリス人通訳の方に連れて行ってもらった。彼女は神話にとても造詣が深く、イスラエル料理と美味しいワインを飲みながら、地中海にまつわる神話をいくつか聞かせていただいた。そしてアンドロメダの話が終盤に差しかかる頃、彼女は「ほら、今私たちが眺めている海に点在する岩、あれはアンドロメダが縛られていた岩よ・・・・・」と、何気に指を刺し教えてくれた。

今日、偶然にもゼミ生とのチュートリアルで、アンドロメダ星雲の話となった・・・・・。
そして40万年にわたって、細長く流れ続ける「アンドロメダの涙」の正体もつかめた。

ちなみに、アンドロメダはペルセウスと結ばれると、7人の子供に恵まれ幸せに暮らしたそうだ。
後にペルセウスとアンドロメダ、そして愛馬ペガサスは、アテナが星座として天に召し上げたそうである。

そろそろ零時である。今夜は空を見ながら宿舎に戻ることにしよう・・・・・。


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Date : 2008.10.31 Fri 19:17  未分類| コメント(-)|トラックバック(-)
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