土屋公雄のブログ

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丘の上のキャンパス
この四月より、武蔵美の他に愛知県立芸術大学大学院でも教鞭を執ることとなった。

愛知芸大は約40年前、建築家・吉村順三によってキャンパス計画・設計されたものであり、彼にとってもこの建築は、打放しコンクリートの代表的作品の一つである。
吉村順三といえば、言わずと知れた日本の伝統とモダニズムの融合を図り、その空間スタイルは「簡素にして品格あり」と言われた建築家である。僕なども学生の頃、最初に建築を知る為に図面トレースしたのが吉村順三「軽井沢山荘」であった。当時は自分も、将来この様なモダンな別荘を持てたらと夢を見たものだ。・・・・・そして35年後の現在、僕は芸大キャンパスに隣接した、緑深き自然環境に建つ吉村氏設計による教員用官舎に、週の半分は生活することとなった。

半世紀前に「芸術教育は自然から出発しよう。」を理念に、愛知芸大の計画構想はスタートされたとされる。確かに、愛知県長久手の丘陵地に、総面積約40万㎡を占める大学キャンパスは、敷地内に二つの農業用水池を取り込み、建物や広場・道路は、長久手の地形と自然環境の持つ性格に従ってレイアウトされ、まさに風景の中に建築が融和した理想的教育の環境となっている。
キャンパスの中央広場には、南北に真直ぐに伸びた講義室棟が建ち、それを軸線とし、東西に美術棟と音楽棟の各施設が配置されている。この南北方向の軸線は、地形から割り出されたものであろうが、美術棟各アトリエにおける北光線に関しては、実に考えられた設定となっている。
僕も好きでパリに行ったときにはよく訪ねるのだが、ザッキン、ブランクーシといった近代芸術家達のアトリエは、皆この様な北光線の空間構造となっている。当時のアトリエにおける「良い光の場」とは、明快な光量では無く、一日を通し光の変化が少なく、モデルや素材に対し主光線が適当な入射角度を保ち、その光がモチーフに対し適当なコントラストをもって立体感を与えることである。
吉村氏の愛知芸大における「理想的芸術教育環境」への思いは、その建築のプロポーションやディテール、ランドスケープなど、随所に見ることが出来る。

35年目にして、偶然にも吉村順三のオリジナル空間を体感することとなった。
僕は今、この丘の上のキャンパスに込められた吉村氏の意思、そしてロマンを、建築的視点からもゆっくり楽しみたいと思っている。


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Date : 2008.05.20 Tue 21:32  未分類| コメント(-)|トラックバック(-)
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